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一人ひとりの物語

架け橋となる
存在に

清水 亜美 AMI SHIMIZU

人財戦略室 人財育成グループ
2019年入社/国際コミュニケーション学部 
国際ビジネス課程 卒

海の向こうへの憧れ

私が生まれ育ったのは、利根川の源流が流れる山あいの町。幼いころから、友だちと木登りをしたりカブトムシを捕ったり、自然とたわむれて過ごしてきた。そんな私の世界を広げてくれたのは、東京からやってきた「一場先生」だった。

大使館で働いたこともある一場先生が引っ越してきて、自宅で英語教室を開いたのは、私がまだ小学校に入る前のこと。グレイヘアのショートカットに眼鏡がすごく似合っていて、いつもおいしい紅茶を出してくれた。そこは受験英語を教えるのではなく、英語の楽しさを伝える場所。世界中から届くポストカードを見せてもらいながら、海外で暮らしたときのことを話してくれた。私もいつか飛行機に乗って、海の向こうに行ってみたい──。そう思うのはとても自然なことだった。

英語教室には中学卒業まで通い、高校は英語科へ進学。高校と大学それぞれでアメリカ留学も経験した。就職活動では海外と関われる会社を探し、JALナビアを知った。入社を決めたのは、学生時代のアルバイト経験から接客の仕事に向いていると感じたから。そして、海外で働ける可能性あることに魅力的だった。

入社後の配属は東京の国際線予約センター。日本在住の外国人のお客さまからも、国際線の予約に関する問い合わせを受ける部署だった。先輩たちのサポートを受けながら徐々に仕事を覚え、年明けには一人で英語の電話を受けるように。でも、自分の英語に自信が持てず、答えるだけで精一杯。ゆっくりと時間をかけ、自分のペースで少しずつ前へ進んでいった。

新しいチャレンジを続けて

入社3年目の2022年。ロンドンにある欧州コンタクトセンターへの出向が決まった。ヨーロッパ全体から問い合わせを受け付ける部署にもかかわらず、コロナ禍で人員が大幅に減った影響で人手不足に陥っているという。英語の電話対応ができる人財として、自分を含め3人が抜擢された。

現地では電話対応だけでなく、組織強化も課題の一つだった。現地でも積極的に採用し、私はインストラクターとして新人教育も担当する。慣れない土地での仕事は楽ではなかったが、3人の同僚とアパートをシェアして暮らしたり、休日はヨーロッパ中を旅行したり、今振り返ると楽しかった思い出も多い。

1年ほどのロンドン駐在を終え、現在は人財戦略室人財育成グループでサービス品質の向上に取り組んでいる。海外地区在住のお客さまにコンタクトセンターの評価アンケートを実施するなど、仕事内容はがらりと変わったが、不安よりも「新しいチャレンジができる」という高揚感のほうが大きかった。

配属後に携わった海外地区オペレーター向けの社内教育動画作成では、日本語で作られた教材を英訳して、自らナレーションを入れた。これからしばらく、海外の研修でこの動画が流れることになる。ロンドン時代にお世話になった 上司からは、「動画を見たよ!」という言葉をいただいた。自分の頑張りを見てくれる人が海の向こうにいることが嬉しかった。

今でも、大切にしている1通のメールがある。東京で国際線予約を担当していたとき、オーストラリアのお客さまからいただいたものだ。メールには東京の国際線予約センターの”Ami”宛に、帰国便の問い合わせ対応についての感謝の言葉が綴られていた。

Her English is excellent, and she did everything she could for my family. Thank you.(彼女の英語は素晴らしく、私たち家族のためにできる限りのことをしてくれました。ありがとう)

こんな私でも誰かの役に立てる。少しずつではあるけれど、自分の仕事に自信を持つことができてきた。この先も、日本と海外の架け橋となるような仕事を続けていきたい。一場先生が教えてくれた、世界中の人とつながる喜びを胸に。