STORIES 一人ひとりの物語
あたらしい
居場所で。
樋口 晃香 AKIKA HIGUCHI
コンタクトセンター受託事業室 JMBノンボイスチャネルチーム
2020年 入社/生活科学部 健康デザイン学科 卒
家族旅行の記憶
シートベルトのサインが点灯し、機体は着陸態勢に入った。東京では桜が咲いていたのに、窓の外は一面の銀世界。札幌センターへの異動が決まってから約1カ月が経ち、いよいよ新しい職場での日々が始まろうとしている。そういえば、北海道に来たのはいつぶりだろう。たぶん、高校2年のときの家族旅行以来だ。
私たちの家族旅行は、いつも空港から始まった。グアム、沖縄、フランス──。飛行機に乗る瞬間から、ワクワクが止まらなかった。特に印象深いのは、フロリダのディズニー・ワールド。オーランド国際空港に降り立ったとき、甘い香水のような匂いがしたのを覚えている。一週間以上の長期滞在は、人生の大切な1ページになった。
その記憶は、就職活動の道しるべに。飛行機に乗る瞬間のあのワクワクを、サポートできる仕事に就きたい。そして、JALナビアと出合い、入社を決めた。それは2020年4月のこと。新型コロナウイルスが、世界中で猛威を振るい始めた頃だった。
入社後は東京センター国内部で電話による問い合わせ対応に従事した。でも、コロナ禍の影響で多くの便が欠航となり、変更や払い戻しに関する問い合わせがほとんどだった。旅行の楽しみを提供できず心苦しい日が続いたが、そんな中でも「応援しています」と優しい言葉をかけてくださるお客さまの存在が、仕事の励みになった。
札幌センターに新規部署が立ち上がることが決まったのは、入社2年目の冬のこと。JALマイレージバンク(JMB)の業務を一部受託する形で、マイルやJMBカードに関する問い合わせ対応をJALナビアが担うことになった。その立ち上げメンバーに選ばれた私は、2022年4月から札幌センターに異動することに。
JALが愛される喜び
新部署のメンバーは所属長含め13名。新しい業務に全員が一丸となって取り組んだ。まずは、JMBの理解から。JMBにはマイルや「FLY ONポイント」といったポイント制度があり、航空券との交換やラウンジの利用といったサービスを提供している。JMBを熟知されたお客さまからの問い合わせも多く、実際の対応から学ぶことも多かった。
対応が電話からメールやチャットに変わったことも、最初は苦労した。電話対応では、お客さまがどういう状況にあるかを会話によって深掘りできた。でも、メールでは文面からお客さまの意図をくみ取らなければならない。どうすればわかりやすいご案内ができるのか、そればかりを考えていた。
業務に慣れるにつれ、お客さまの状況を見極め、自分の言葉でご要望・状況にあった情報を提供できるようになっていった。部署内では、間違いやすい項目やトラブルにつながりやすい事例が共有されていて、スムーズな対応につながっている。
とはいえ、まだJMB全体を理解できているわけではない。お客さまの問い合わせから、マイルがたまりやすいキャンペーンや、ステータス獲得のための複雑な旅程を知ることもある。マイルやステータス獲得のお手伝いをしている中で、お客さまがJALを愛してくださっているという嬉しさが、今の仕事の原動力だ。
これからはもっと知識や経験を積んで、早く業務全体をサポートできる存在になりたい。それはお世話になった先輩への恩返しでもあるし、これから入社してくる後輩のためでもある。
季節は巡り、また北海道に春が訪れようとしている。あの日、新千歳空港に降り立ったときは不安でいっぱいだった。でも今は、北海道を目一杯満喫しようと、休日は道内旅行に忙しい。桜の季節は五稜郭を見に、札幌から飛行機で函館に行こう。自分がワクワクしなければ、お客さまにも楽しさを届けられないから。